寝ても覚めても、ニューヨーク。。なんちゃってNewYorkerになります。ブログは、移行する予定です。


by blueinjpn
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スウドン

子供の頃のウチの家庭は、貧乏ではないですが、余裕があるワケでもなく、中流の下か、下流の上といったところでした(お父さん、すいません。)。
なのに、外食が好きな家庭でした。
といっても懐が暖かいわけではないので、年に何度かデパートの食堂で、ハンバーグステーキにバナナパフェが最高のご馳走でした。
思い出すと、あんなに胸のときめいたご馳走はなかったような気がします。

多かったのが、お蕎麦屋さんに行くことでした。
親の頼むメニューは決まっており、いつも『スウドン』でした。
お品書きを眺めることもなく、席に着くなり、『スウドン、3つ』。
子供心に蕎麦屋はスウドンを食べるところだと、インプットされました。
スウドンとは、今思えば、素うどんの意なのでしょうね。シンプルなかけうどんです。
こんなものだったら、うどんの玉を買ってきて、自宅で作れば良い話なのですが、共働きだった親には、外食が生活の楽しみだったのだと思います。
ヨソのテーブルでは、上になにやらのったものを召し上がっていたりするのですが、
ちらりとそちらの方を眺めたりすると、『あれは、ヨソサマの』と牽制されました(笑)。

或る日、親戚の家にお泊りすることになり、夕飯は蕎麦屋の出前になりました。
親戚のオバサンは、見たこともないお品書きを取り出し、『好きなものをお食べ』と大胆なことを言います。
子供にメニューの選択権など与えられたこともない家庭で育った私は、非常に動揺し(汗)、
お品書きの中から、『スウドン』の文字を探しましたが、どこにもありませんでした。(同じものは、かけうどんということが分からなかったのです)
うろたえていると、オバサンは鍋焼きうどんを選んでくれ、今まで見たこともないゴージャスなご馳走が目の前に届きました。
土鍋の蓋を開けてもらうと、湯気のあがった中に、
海老の天ぷら伊達巻ほうれん草のおひたし甘く煮た椎茸紅白のかまぼこなどがのった目にもあでやかなうどんです。
まるで、お正月のようだわ。。と思いつつ、美味しく頂きましたが、
親のいないところでこんなものを食べている自分が子供心に後ろめたく(小心者)、背徳の味がしました。

大人になってから、お蕎麦屋さんでスウドンを食べることもないのですが、
上に刻み葱とかまぼこだけがのった、あのスウドンは、鰹の出汁が良く効いていて、
おつゆはほんのりと甘く、身体も心もぽかぽかと温まったものです。

蕎麦屋の前を通ると、あの頃のことを思い出します。
鍋焼きうどんよりも、美味しかったあのスウドン。

人から笑われてしまいそうなご馳走ではありますが、皆さんにも思い出の味ってありませんか?
色々なご馳走を頂くようになった現在、あの時のスウドンを超えるほど美味しいものはないと思うのは、私が貧乏性な所為でしょうか。。
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by blueinjpn | 2007-11-28 23:59 | 中央線的生活